京大式ミニマル勉強法

最小限の努力で最大限の成果を

京大院卒が厳選した数学ⅠAⅡBのおすすめの参考書・問題集と勉強法

(※この記事は2020年11月25日に更新されました)

 

「数学の問題集って多すぎて、どれを使えばいいかわからない」

「数学に対して苦手意識が強い」

「数学の点数を効率的に上げる方法を知りたい」

この記事はそんなあなたに向けて書いています。

 

どうも北さんです。

 

大学受験で英語とともに特に時間をかけないといけない教科がこの数学です。

数学といえば、「青チャート」のような分厚い問題集を使って難しい問題を考えているイメージですよね。

ただ、チャート式のような分厚い問題集を使って、難しい問題を考えるのって本当に効率がいいのでしょうか?

 

ぼく自身が分厚い問題集を使って難しい問題を考えてもなかなか成績が上がらなかった経験があります。

だからこそ、なるべくムダなことをせずにたった3冊の参考書と過去問を使って最短で点数を上げる勉強法を、受験指導をしていくなかで確立することができました。

そこで今日は地方国公立大学から医学部まで、数学ⅠAとⅡBの合格点を最短で取れる勉強法を書きます。

 

数学の超効率的な勉強法

まず結論から言ってしまうと、受験数学において一番大切なのは「難しい問題に時間をかけて悩むこと」ではなく、「基本的な問題の解法を理解して暗記し、応用問題で基本的な問題の解法の組み合わせ方を学んでその組み合わせ方暗記すること」です。

 

えってなりましたか?

でもこれが受験数学の勉強法の鉄則なんです。

なぜなら大学受験の数学はどんなに難しい問題も基本的な問題の組み合わせだから。

 

実際にぼくの知り合いで東大模試で10位以内に入っていた人はこう言っていました。
「東大の数学の試験が基本的な問題の組み合わせで簡単すぎるから、解き方から考えないといけないような難しい問題を出してほしい」と。
 
東大の難問でさえそうなんですから数学の勉強でやることは1つ。

基本的な問題の解法とその組み合わせ方を覚えていくしかないですよね

ということで解法を暗記していく段階で新しい問題を解くときの効率の良い勉強法を書きます。
 

1.問題を解く

とりあえず問題を解けるところまで解いてみます。
このとき大切なのは5分考えてもわからなかったら答えを見ることです
 

数学は解法を知らないと全く進まないこともよくあります。

5分考えてもわからないのに考え続けるのは時間の無駄ですし答えを見ましょう。
そして、その悩んでいる時間を復習の時間に使いましょう

 

2.答え合わせをする

答え合わせをする時もただ漠然と答えを見て納得して終わりではダメです。

効率良く解法を暗記していくためにはできていない問題をできるようにするのが1番大切なので、優先順位をつけて問題を復習する必要があります。
そのための方法が◎○△✗勉強法です。

 

◎〇△×法は答え合わせの際に

  • 解いた際に解き方まで説明できて瞬殺するレベルで解けた問題には◎

  • 解いた時に瞬殺とまではいかないがなんとか解けた問題には〇

  • 解き方が全くわからないわけではないが、途中で計算ミスをしたり途中で詰まってしまった問題には△

  • 問題を見て解き方の方針すらわからないレベルの問題には× 

というふうに問題の横に評価を書いていきます。

この時大切なのは△や✗の問題はどこでつまづいたのかを確認し答えに感想などを書いておくことです

この感想が次回の復習の時に同じ間違えをしていることに気付けたりするので役立ちます。

 

3.復習する

効率良く点数を上げるために最も重要なのがこの復習です。

基本的に人間の脳は一回見ただけでは覚えられないですからね。

ただ、できた問題を何回も反復しても効果が薄いので、答え合わせの時につけた◎〇△×法にそって優先順位をつけて復習していきます。

 

◎の問題

最後まで説明できるレベルで解けた◎の問題はこれから先もおそらく解けるので、復習は月に1度ぐらい見直すぐらいで大丈夫です。

 

〇の問題

なんとか解けた〇の問題は2日おきぐらいに軽く解きなおして3回連続で〇がついたら◎にしましょう。

 

△の問題

途中でつまったり計算ミスをした△の問題を〇にすることが効率よく解法を暗記するために一番重要です。

△の問題は計算ミスならなぜ計算ミスをしたのかを確認、詰まった時はその詰まったところがその問題のポイントなのできちんと理解して反復していきます。

 

✗の問題

解こうとしても全く手も足も出なかった✕の問題はまずは問題の方針を何回も読んで覚え△にしましょう。

 

数学ⅠAとⅡBの点数を最短で上げる進め方

1.センター対策書と過去問で基礎を固める

「もう共通テストに変更になるのに、センター対策書と過去問を使って基礎固めするの?」と思う人も多いと思うので、センター対策書と過去問を使って基礎固めをする理由をお伝えします。
 
センター対策書と過去問を使う2つの理由

共通テスト対策の前に基礎固めが必要

「共通テストになるから共通テスト対策をしなきゃ」となっている人も多いと思います。
ただ、共通テストはセンター試験よりもさらに難易度を上げたものなので、基礎固めができていない状態で対策をしても歯が立たないだけです。
だからこそ、効率よく基礎固めをしていく必要があります。

 

基礎固めにはセンター試験が最適

基礎固めというと青チャートなどで網羅的にやろうとする人が多いですよね。
しかし、青チャートなどは網羅的すぎて実際にはほとんど出ない問題も多いですし、
青チャートを1周するだけでも時間がかかりすぎて、本番前まで基礎固めが終わらないという人もたくさんいます。
そうならないためにも、基礎固めにはセンター試験がオススメです。
センター試験は日本の偉い人が必要だと考える要素が厳選された問題なので、かなり良質な問題集になっているからです。
本番に出ない問題も多い青チャートと、重要な問題が厳選されたセンター過去問なら、重要な問題が厳選されているセンター過去問がいいですよね。 

 

以上の2つの理由から、

1.初めからセンター試験対策用の参考書で基礎の理解と解法暗記をしたあとに、過去問を使って演習をすることでまずは基礎固めを素早く行う

2.共通テストの対策は共通テストの予想問題で対策

3.二次試験によく出る問題は二次試験の過去問で習得する

という3ステップで進めていくほうがリスクが低いと考え、センター対策の参考書で基礎固めをすることをオススメしています。

 

この基礎固めに使うセンター対策書としておすすめなのは「みんなのセンターの教科書」と「センターの点数が面白いほど取れる本」です。

 

まず、今から勉強を始める人は、教科書レベルからていねいに解説されている「みんなのセンターの教科書」をおすすめします。

この「みんなのセンターの教科書」の進め方としては、全部理解できなくてもいいので進めることを優先してください。

 

そして1分野が終わったら並行して「センター試験数学の点数が面白いほど取れる本」を使ってセンター試験の演習を行なってください。

 数学の偏差値が60以上で数学に自身がある方は最初からこの「センター数学の点数が面白いほど取れる本」を使用しても大丈夫です。

 

この「センター数学の点数が面白いほど取れる本」も解き終わったら、対応している分野の過去問演習に進みます。

センター過去問にはいくつかの種類がありますが、解説の詳しさと収録年数の多さから赤本がおすすめです。  

また、赤本や黒本の解説が薄く自力でやっていくのが難しいという意見もあったため、ぼくが浪人生の時にセンター演習で使っていたプリントの販売もしています。

赤本や黒本より解説がわかりやすく、難易度や解答時間の目安も載せているので、「数学が苦手で解説を読むのがつらい」という人や「効率よく得点を伸ばしていきたい」という人におすすめです。

販売サイトにサンプルと教材の詳細を載せていますのでぜひ一度見てみてください。

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センター数学プリント

 

過去問演習の実際の進め方

この過去問演習は1日2時間数学に時間を取れることを想定しています。

1周目

1周目は過去問の答えを10年分読んで理解していきます。

解かなくていいの?と思う人も多いかもしれませんが、解く必要はありません。

なぜならこの段階で解こうとしても時間がかかるだけだからです。

まずは全部理解できなくていいのでセンターの教科書を参考にしながら進めてください。

目安は1問20分×10問=200分の2日間です。

 

2周目

2周目は進めるところまで解いてみて、詰まったら答えを見てください。

1周目で答えを見ているのである程度は進めるはずですし、詰まったところが自分が理解できていないところとわかります。

またこのときに◎◯△✕をつけておいて次からの復習の効率を上げていきましょう。

目安は解くのに最大20分、復習に10分の合計30分×10=300分で約3日間です。

 

3周目

3周目も2周目と同様に進めるところまで解いてみて、詰まったら答えを見ます。

2周目で理解が深まっているので徐々に解く時間が多くなっていくはずです。

目安は2周目と同様に30分×10=300分の約3日間です。

このように進めると1分野を10日間で3周することができ、数1Aと2B合わせて8科目を80日間で3周できます。

 

分野ごとの進め方としては、

1. 数Ⅰの一次関数、二次関数の本試を10年分をやりこむ

2. 数ⅡBを分野別に本試を10年分ずつやりこむ

3. 数ⅠAのやっていない分野の本試を分野別にやりこむ

という流れで二次試験に出やすい数Ⅰの二次関数と数ⅡBの各分野を先にやっていくことで、二次試験にも繋がりやすいしⅠAはできるけどⅡBが全くできないという状態を防げます。

 

この時点で数1Aは80点が、数2B は70点が安定しているはずです。

ここから数2Bで8割まで上げるためには今までの10年分を復習しながら、さらに新しい問題のテスト演習を10年分行ってください。

テスト演習と復習を1日1年分こなしていけば10日間で10年分行うことができ、この時点で数2Bで8割前後で安定してくるはずです。

 

終了時期の目安

あなたが高校2年生なら、授業の進度に合わせてセンターレベルの演習をして8割取れるようにしてください。

あなたが高校3年生、または浪人生ならば

【国公立医学部(旧帝大以外)】

7月から標準レベルの演習をするために、3月から4月には始めて6月末までに最低8割は取れるようにしましょう。

 

【東大、京大、東工大、一橋大学】

8月から標準レベルの演習をするために、4月には始めて、7月末までに最低8割は取れるようにしましょう。

 

【大阪、東北、名古屋、北海道、九州大学】

10月からは標準レベルの演習をするために、6月には始めて、9月末までに最低8割取れるようにしましょう。

 

【神戸、広島、地方国公立大レベル】

12月からは他の教科のセンター演習を始めるために、7月から8月には始めて、11月末までに8割取れるようにしましょう。

 

2.入試標準レベルの過去問で解法の使い方を覚える

センター試験で8割取れるようになったら、次は文系は神戸大の数学15カ年を、理系は神戸大の数学15カ年と北大の理系数学15カ年を解いていきます。

標準レベルの問題集をやらない2つの理由

「センター試験からいきなり過去問演習!?」と思う人もいるかと思いますが、標準レベルの問題をやらない理由は2つあります。

【実践的な練習ができない】

標準レベルの問題集は問題集を作る際に勉強の効果が高くなるように問題を改編して、問題の必要な部分だけを載せていることがよくあります。

簡単に言うと、難しい問題の難しい部分だけを切り取って載せているということです。

これは一見効果が高そうなんですが、問題が切り取られていると実際の試験のように誘導に乗って問題を解いていく実践的な練習ができないので、実際の点数に繋がりにくいです。

【問題演習をする時間が取れない】 

ある程度の問題を広く浅く網羅した問題集は、網羅している分習得するのに時間がかかり、過去問を使った問題演習に使う時間が取れないという場合がよくあります。

最初から二次試験の過去問を使って演習をすると、解く分野に偏りは少しできてきますが、まずは実際に入試に出てくる問題の再現性を高めることで得点力をつけることができます。

そして時間に余裕があれば網羅的に勉強していくほうが結果として合格に近づくと考えたので、志望校でなくても二次試験の過去問での標準レベルの演習を推奨しています。

 

神戸大学と北海道大学を選んだ理由

神戸大学と北海道大学は、現在の大学入試の数学の傾向である「難しい問題を時間をかけて解かせるというよりも、標準レベルだけど計算量を多い問題をきちんと解けるかどうか」を重視しています

またそれだけだとほかに当てはまる大学はありますが、15カ年などが出ていてある程度の年数を確保しやすい市販の過去問の中では、レベル的にセンター試験からつながりやすいという点からも神戸大学と北海道大学を選びました。 

 

もっと効率よく進めたいあなたに

センター試験レベルから一番つながりやすくて標準レベルの問題の質が安定しているのは広島大学であり、本当は広島大学と神戸大学の過去問をやるのが理想です。

しかし広島大学の過去問を集めたものがなかったのと赤本の答えが簡潔すぎて数学が苦手な人は使いにくいという意見から、広島大学の数学23年分と神戸大学の数学20年分の解説プリントセットを販売することにしました。

もちろん数学が得意な人や市販の参考書で学習したいという人は赤本を使ってもらったらいいんですが、「より効率よく勉強していきたい」という人や「数学が苦手だからわかりやすい解説の過去問が欲しい」という人は販売ページにサンプルと教材の詳細を載せているのでぜひ一度見てみてください。

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神戸大2016解説プリント


 

実際の進め方

【文系】

文系の人は神戸大の数学15カ年の文系専用問題と文理共通問題を解いてください。

広島大学と神戸大学の解説プリントの場合は、大問毎に数Ⅲやベクトルなどの分野と難易度が書かれているので、数Ⅲ以外の分野を解いてください。

 

【理系】

理系の人は神戸大の数学15カ年の文理共通問題と理系専用をしたあとに、北大の理系数学を進めてください。

広島と神戸大学の解説プリントの場合も、すべての問題を解いてください。

 

これらの過去問を解いていくときは、センター試験で学んだ個々の解法の応用問題に対する組み合わせ方を知るということを意識しながら、◎○△☓法を使って復習することが重要です。

実力試しではなく、基本的な解法の使い方を理解するための問題集として使っていきましょう。

 

終了時期の目安

あなたが高校1.2年生ならば、授業の進度に合わせて、このレベルの問題まで演習をして、瞬間で解けるようになっていれば理想です。

あなたが高校3年生、浪人生ならば

【国公立医学部(旧帝大以外)】

9月からはセンターを9割以上を安定させるための演習と、さらなる標準レベルの国公立大の過去問のやりこみをするために、8月末までには終わらせましょう。

【東大、京大、東工大、一橋大学】

10月からは志望校の過去問の演習をするために、8月から9月の間に集中的にやりこんでしまいましょう。

【大阪、東北、名古屋、九州大学】

センターが終わってからは志望校の過去問の演習に集中するために、10月と11月の2ヶ月間でやりこんでしまいましょう。 

 

3.志望校別過去問を解いていく

文系は神戸大学、理系は神戸大学と北海道大学の15カ年がきちんと説明できるレベルで解けるようになって、それ以上のレベルの大学を目指す場合は志望校別の過去問を解いていってください。

旧帝大以上の大学になると、理系は阪大の理系数学20か年のようにまとまった年数分の過去問があるので、それを問題集としてひたすら繰り返しましょう。

京都大学は世界一わかりやすいシリーズが出ていて、これが神クラスにわかりやすいのでまずこれを最低2周はしたあと

時間があれば27か年でよく出る分野をさらに強化していきましょう。

東大や京大などの難関大学の問題というと、難しくて解けないというイメージが強いかもしれません。

しかし、参考書に載っている問題は特に難しい問題が載っているだけで実際には基本的な典型問題が毎年出ています。

そして大学受験において大切なのは、この基本的な典型問題を落とさないレベルにまで達したらそれ以上のレベルは深追いしないことです。

 

ここで数学にハマってしまうと難問を解くのが楽しくなり、数学で6問中4問完答できる前提で点数の配分をしてしまったりするので、他の教科をおろそかにしがちになります。

しかし、数学に点数を依存していると、数学は難易度の上下が激しいので解けない問題が出たら解けないというなかばギャンブルになってしまいます。

受験という数年がかりの勝負をギャンブルにしていいですか?

受験をギャンブルにしないためにも、数学は過去問の典型問題を解けるレベルになったらそのレベルをキープして、あとは英語や理科や社会などの時間をかけたら点数が安定しやすい教科に時間をかけていきましょう!

 

まとめ

数学の勉強の流れは

  1. 共通テスト対策の参考書と過去問で基礎固め

  2. 入試標準レベルの過去問で解法の使い方を理解して覚える

  3. 志望校別の対策をして合格点を取れるようにする

というのが最短で合格点を取る方法です。

今回の記事を見てもらってもわかると思いますが、これだけ効率的にやっても数学は志望校のレベルにまで達するのに時間のかかる教科です。

数学で死んだということにならないように、早めに1のセンター試験の対策から始めてください。

 

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